三菱重工業株式会社

7011 / プライム

かんたん解説

2027年3月期 第1四半期 / 2026-09-21 作成機械検算 95%

今回の決算でわかったこと

  • 受注拡大で積み上がった前受金が、財務の姿を大きく変えました 三菱重工業の2026年3月期は、工事代金の前受け分にあたる契約負債が14,439.8億円から21,618.8億円へ増えました。この資金流入が効いて、営業活動によるキャッシュフローは9,426.2億円と前期から+77.7%伸びています。手元の現金及び現金同等物は6,578.2億円から13,348.7億円へと倍増しました。その一方で借入や社債の返済が進み、期末の有利子負債は5,157億34百万円まで減っています。

  • 利益は過去最高で、中期計画の利益目標を1年前倒しで達成しました

このレポートについて
対象期
2027年3月期 第1四半期
資料の種類
有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
分析日
2026/09/22
本文の分量
3,324
機械検算
金額表記 210件中 199件を照合

参照した資料の明細

  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/24)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/27)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/27)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2023 (時系列比較) (公表 2023/06/29)
  • 決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/04)
  • 適時開示イベント (EDINET) — 臨時報告書・訂正発行登録書 など 14件 (直近24ヶ月)
  • 外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 20件

収録している項目 (5)

  • 今回の決算でわかったこと
  • 数字で見ると
  • この会社は何で稼いでいるか
  • 気をつけて見ておきたいところ
  • ひとこと

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2027年3月期 第1四半期 / 2026-09-21 作成機械検算 95%

エグゼクティブサマリー

  • 受注拡大に伴う前受金が財務を一変させた。契約負債 (前受金) は14,439.8億円→21,618.8億円 (+7,179億円)、営業CFは9,426.2億円 (+4,122億円)。現金は13,348.7億円へ倍増し、有利子負債は5,157億34百万円まで圧縮された。
  • 利益も過去最高。親会社帰属当期利益3,321.3億円 (+35.3%)、ROE12.2%・事業利益率8.7%で中期計画目標を1年前倒し達成。
  • ただし資本増+7,586億円の中心は市況次第で反転する評価益である。年金の再測定益+2,911.7億円、在外子会社の換算差額+1,042.9億円が損益計算書を通らずに資本へ入った。加えて減損461.8億円 (うち電源システムソリューションのれん295.5億円) を計上し、同事業は帳簿価額と回収可能価額が一致する「追加減損まで余裕ゼロ」の状態にある。
  • 年金は大幅な資産超過で、退職給付信託は8,633.0億円まで積み上がった。第二は資本側の為替で、在外子会社資本への純投資ヘッジ (在外出資の為替変動を負債等で打ち消す会計処理) の指定は開示に無い。
  • 直近動向: 有報より新しいFY2027第1四半期 (2026年4-6月) は純利益1,346.8億円 (+97.4%) と好調で、通期予想 (税引前5,300億円) は据え置き、年間配当予想は29円。一方で2027年3月期の受注減を警戒する報道がある。

出典タグの見方: 文末の は有価証券報告書など開示資料の該当箇所を、 などその他の角括弧タグは、その数値・検知が数値検算プログラムの機械計算値そのままであることを示す。「⚡逸脱◯σ」は当期の変化が例年の変動幅 (σ) の何倍かの機械検知。

事業概要

三菱重工業は、発電設備から防衛装備まで手掛ける日本最大級の総合重工メーカーである。報告セグメントは「エナジー」(GTCC=ガスタービン・コンバインドサイクル発電、原子力等)、「プラント・インフラ」(製鉄機械・商船・エンジニアリング等)、「物流・冷熱・ドライブシステム」(冷熱製品・エンジン・ターボチャージャ等)、「航空・防衛・宇宙」の4つ。収益の柱はエナジー (売上20,626億円) と航空・防衛・宇宙 (同13,938.6億円) で、最大顧客は防衛省 (連結売上の20.2%) である。連結財務諸表はIFRSで作成されている。

財務概況

業績

当期は物流子会社・三菱ロジスネクスト (現ロジスネクスト) を非継続事業に分類し、前期の損益は再表示されている。時系列で売上が前期50,272億円→再表示後43,611億円と「減った」ように見えるのはこの再表示によるもので、実勢の減収ではない。

項目 (連結・億円) 前期 当期 増減 (機械計算値のみ)
売上収益 43,611.3億円 49,741.7億円 +6,130億円 (+14.1%)
売上総利益 8,711.2億円 10,826.7億円 +2,116億円 (+24.3%)
販売費及び一般管理費 5,840.8億円 6,328.1億円
継続事業からの税引前利益 3,520.7億円 4,746.9億円 +1,226億円 (+34.8%)
継続事業からの当期利益 2,456.6億円 3,583.9億円 +1,127億円 (+45.9%)
非継続事業からの当期利益 163.3億円 -124.4億円
親会社の所有者に帰属する当期利益 2,454.5億円 3,321.3億円
当期包括利益 2,032.1億円 8,389.4億円 +6,357億円 (+312.8%)

(出典:)

事業利益は4,322億18百万円で、前期を772億53百万円 (+21.8%) 上回った。純利益より包括利益の伸びが際立つ。その他の包括利益が前期△587.8億円から当期+4,930億円へプラスに転じたためだ。内訳は年金の再測定+2,911.7億円 (⚡逸脱7.4σ、例年の変動幅の約7倍)、在外子会社の換算差額+1,042.9億円 (⚡逸脱10.2σ)、株式等の公正価値変動+804.6億円。

会社が掲げる経営指標 (中期計画「2024事業計画」の2026年度目標) との距離は次のとおり。事業利益率8%以上とROE12%以上は当期に1年前倒しで達成した。一方、売上収益の目標5.7兆円に対し、当期実績は4兆9,741億円、会社の来期見通しも5.4兆円で届かない。利益の目標は超過、規模の目標は未達見込み、という非対称がある。

バランスシート

このレポートについて
対象期
2027年3月期 第1四半期
資料の種類
有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
分析日
2026/09/22
本文の分量
23,575
機械検算
金額表記 210件中 199件を照合

参照した資料の明細

  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/24)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/27)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/27)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2023 (時系列比較) (公表 2023/06/29)
  • 決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/04)
  • 適時開示イベント (EDINET) — 臨時報告書・訂正発行登録書 など 14件 (直近24ヶ月)
  • 外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 20件

収録している項目 (38)

  • 業績
  • バランスシート
  • キャッシュフロー
  • セグメント
  • 資金循環
  • 仮説1: 契約負債 (前受金) が「無利子の調達源」となり、現金倍増と有利子負債圧縮を同時に実現した 【判定: 支持】
  • 仮説2: 単体の短期借入金+3,493億円は外部調達ではなく、グループ内の資金集中である 【判定: 支持】
  • 仮説3: 年金の資産超過が急拡大 — 主因は制度資産の運用益と割引率上昇で、資本増の最大の押し上げ要因である 【判定: 一部支持】
  • 仮説4: 事業利益の「質」は表面より高い — 前期の一過性売却益が剥落し、当期は減損を計上した上での増益である 【判定: 一部支持】
  • 仮説5: 資本の為替は開示上ヘッジされていない — 円安が資本・現金・損益の3か所を同時に膨らませた 【判定: 支持】
  • 仮説6: 「その他」セグメントの赤字は成長領域への入替コスト — 電源システムソリューションは追加減損リスクを抱える 【判定: 一部支持】
  • 仮説7: ロジスネクスト非公開化の完了で、翌期は「連結は影響軽微・単体は約400億円の特別利益」というスコープの食い違いが表面化する 【判定: 支持】
  • 反証・棄却された見立て
  • 資金動態: 1.3兆円の現金の「使い道の予約」を読む
  • 有利子負債と借換え
  • 為替の影響を受ける金額とヘッジの全体像
  • 退職給付 (年金): 当レポート最大の
  • 政策保有株式
  • M&A・組織再編
  • 運転資本と人件費
  • 重要な後発事象: ロジスネクスト取引完了
  • 非金融資産の減損: 帳簿価額=回収可能価額の事業がある
  • 社債、借入金及びその他の金融負債: 財務制限条項の記載
  • 従業員給付: 年金の運用方針の明文開示
  • 法人所得税: 繰延税金資産の急減と巨額の未認識項目
  • 引当金: 2021年度引渡プラントの長期保守が引き続き重い
  • 金融商品の公正価値: レベル3株式と社債の含み
  • 関連当事者: IGCC発電会社への貸付
  • 政府補助金・偶発負債・会計方針
  • 償還能力
  • 資本
  • 流動性
  • 資産の質
  • 格付トリガー・財務制限条項
  • 資本効率
  • 還元
  • モメンタム
  • 主要経営指標の推移

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