三菱商事株式会社
8058 / プライム
かんたん解説
2027年3月期 第1四半期 / 2026-09-21 作成機械検算 95%今回の決算でわかったこと
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純利益は8,004.6億円で、前期より1,502億円の減益でした 前期にはコンビニ大手ローソンを連結から外した際の再評価益と、豪州炭鉱の売却益という大きな一時的利益がありました。当期はその反動が減益の主因です。ただし当期の利益にも、銅事業で過去の減損を戻し入れた531.9億円など、毎年は繰り返されない利益が複数含まれています。表面の減益幅だけでなく、利益の中身を分けて読む必要がある決算でした。
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約1兆円の自己株式取得を、長期の負債調達を増やしながら実行しました
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/09/22
- 本文の分量
- 2,991字
- 機械検算
- 金額表記 266件中 252件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/12)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/18)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/21)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2023 (時系列比較) (公表 2023/06/23)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(監査法人による期中レビューの完了) (公表 2026/08/06)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/03)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 変更報告書・自己株券買付状況報告書 など 47件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 7件
収録している項目 (5)
- ・今回の決算でわかったこと
- ・数字で見ると
- ・この会社は何で稼いでいるか
- ・気をつけて見ておきたいところ
- ・ひとこと
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2027年3月期 第1四半期 / 2026-09-21 作成機械検算 95%エグゼクティブサマリー
当期の親会社所有者帰属純利益は8,005億円で、前期比△1,502億円の減益。減益の主因は前期に計上したローソン持分法化に伴う再評価益と豪州炭鉱売却益の剥落だが、当期の利益にも銅事業の減損戻入531.9億円など反復しない利益が複数混じり、表面の数字より利益の質の見極めが要る。最大の動きは資本政策で、約1兆円の自己株式取得を実行し、同じ年に社債・長期借入で13,867.9億円を調達、グロス有利子負債は46,170億円から57,469億円へ増えた。ROEは8.5%と会社目標の12%に未達で、円安による在外換算差額+5,258.4億円が資本を押し上げたが、この資本側の為替は開示上ほぼヘッジされていない。期後には米シェールガス会社Aethonの買収契約(取得価額5,200百万米ドル)を締結済みで、米ドル調達・金利・為替のフローが当面続く発行体である。
出典タグの見方: 文末の は有価証券報告書など開示資料の該当箇所を、 などその他の角括弧タグは、その数値・検知が数値検算プログラムの機械計算値そのままであることを示す。「⚡逸脱◯σ」は当期の変化が例年の変動幅 (σ) の何倍かの機械検知。
事業概要
三菱商事は、天然資源開発から多様な商品の売買・製造、消費者向けサービスまでを国内外で展開する総合商社である(連結子会社833社・持分法適用会社349社)。当期の報告セグメントは、地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8つ。利益の柱は金属資源(銅・原料炭)と地球環境エネルギー(LNG)で、持分法投資5兆2,130.3億円が示すとおり、出資先の取り込み利益が収益の中核にある。翌期からは地球環境エネルギーと電力ソリューションを統合し7グループ体制へ改編する。
財務概況
業績
| 項目 (連結・IFRS) | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 収益 | 186,176億円 | 189,160億円 | +2,984億円 |
| 売上総利益 | 18,364億円 | 16,551億円 | △1,813億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 14,653億円 | 12,365億円 | △2,288億円 |
| 継続事業からの税引前利益 | 13,934億円 | 10,961億円 | △2,973億円 |
| 法人所得税費用 | 3,171.8億円 | 1,793.7億円 | △1,378億円 |
| 当期純利益 | 10,762.5億円 | 9,167.3億円 | △1,595億円 |
| うち親会社の所有者帰属 | 9,507.1億円 | 8,004.6億円 | △1,502億円 |
| 親会社の所有者帰属・当期包括利益 | 10,611億円 | 15,064億円 | +4,453億円 |
純利益は減ったのに、包括利益は増えた。その他の包括利益が前期1,099.4億円から当期7,506.5億円へ拡大したためで、⚡逸脱10.5σ (例年の変動幅の約10倍) の異常値である。中身は在外営業活動体の換算差額+5,258.4億円 (⚡逸脱43.0σ) と、FVTOCI指定株式の評価益等である。売上総利益の減少△1,813億円はローソン連結除外の通期化が主因と会社は説明しており、S.L.C.の売上総利益△3,050億円 がこれと合う。販管費の減少も同じ理由である。
会社が掲げる経営指標との距離は次のとおり。営業収益キャッシュ・フロー(会社定義の稼ぐ力指標)は9,837億円→10,481億円と増加し、成長率10%目標に対して進捗。ROEは8.48%(前期10.15%)で2027年度目標12%に未達。DuPont分解では、マージン要因△1.74%pt・回転率要因△0.80%ptに対しレバレッジ要因+0.87%ptで、利益が減る中を負債と自社株買いで資本効率を下支えした年である。Net DER(0.6倍上限目処)の実績倍率は開示から直接取れないが、ネット有利子負債は30,472億円→38,882億円へ増えた。
バランスシート
| 項目 (連結・IFRS) | 前期末 | 当期末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 214,961億円 | 241,517億円 | +26,556億円 |
| 流動資産 | 87,524億円 | 101,717億円 | +14,193億円 |
| 非流動資産 | 127,437億円 | 139,800億円 | +12,363億円 |
| 負債 | 113,418億円 | 139,011億円 | +25,593億円 |
| 社債及び借入金(非流動) | 32,787億円 | 41,360億円 | +8,573億円 |
| 資本 | 101,543.2億円 | 102,505.7億円 | ― |
| うち自己株式 | △991億円 | △11,135億円 | △10,144億円 |
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/09/22
- 本文の分量
- 23,579字
- 機械検算
- 金額表記 266件中 252件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/12)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/18)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/21)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2023 (時系列比較) (公表 2023/06/23)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(監査法人による期中レビューの完了) (公表 2026/08/06)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/03)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 変更報告書・自己株券買付状況報告書 など 47件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 7件
収録している項目 (42)
- ・業績
- ・バランスシート
- ・キャッシュフロー
- ・セグメント
- ・資金循環
- ・仮説1: 会社は意図的にレバレッジを引き上げ、負債調達の下で1兆円の自社株買いを実行した 【判定: 支持】
- ・仮説2: Aethon買収(5,200百万米ドル)に向けた米ドル資金の手当てが既に始まっている 【判定: 検証不能】
- ・仮説3: 金属資源の資産急増(+14,571億円)の相当部分は商品トレーディング関連の両建て膨張 【判定: 一部支持】
- ・仮説4: 自己資本の為替リスクは開示上ほぼヘッジされておらず、円高反転でそのまま剥げる 【判定: 支持】
- ・仮説5: 減益は前期一過性の反動が主因で基礎収益は底堅い — ただし当期にも一過性益が混じる 【判定: 一部支持】
- ・仮説6: 食品産業への資本再配分が進行 【判定: 支持】
- ・仮説7: 別途積立金の取崩6,850億円は、自己株消却を受け止める繰越利益剰余金の残高整備 【判定: 一部支持】
- ・仮説8: 固定金利での長期調達を増やし金利スワップで変動化する構造が拡大 — 金利上昇時は利息負担が先行する 【判定: 支持】
- ・仮説9: 売却目的保有資産の再出現(1,699.4億円)は進行中の事業売却の予告 【判定: 検証不能】
- ・反証・棄却された見立て
- ・有利子負債の構成と満期
- ・為替: 資本・損益・デリバの三層
- ・金利リスクとALM
- ・M&Aと資本再配分
- ・退職給付
- ・政策保有株式・投資有価証券
- ・海外未分配利益と税
- ・従業員数と人件費
- ・会計方針の変更(個別): リース会計基準の早期適用
- ・IFRS第9号・第7号改訂の早期適用
- ・企業結合: バーゲンパーチェス益と暫定のれん
- ・Golden Pass LNG関連引当金
- ・繰延税金: LNGカナダのDTA認識
- ・ロシア事業
- ・偶発負債・保証
- ・中止された純投資ヘッジの残骸
- ・監査上の主要な検討事項(KAM)
- ・後発事象
- ・償還能力
- ・資本
- ・流動性
- ・資産の質
- ・格付トリガー・財務制限条項
- ・資本効率
- ・還元
- ・モメンタム
- ・主要経営指標の推移
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