東京海上ホールディングス株式会社

8766 / プライム / 保険業

かんたん解説

2027年3月期 第1四半期 / 2026-08-12 作成機械検算 98%

今回の決算でわかったこと

  • 会計の物差しが変わり、「増益」と「減益」が同居する決算になりました。 当期から国際会計基準 (IFRS) を初めて適用しています。IFRSベースでは税引前利益が7,507億円 (前期比+1,544億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,312.6億円と増益でした。一方、並行開示の日本基準では親会社株主帰属純利益が10,552.8億円から9,804.3億円へ減少しています。IFRSでは政策保有株式 (取引関係の維持などの目的で持つ株式) の売却益が純利益に含まれない、のれん (買収時の上乗せ額) の償却が止まる、といった仕組みの違いが理由で、どちらの数字を見るかで印象が大きく変わる点に注意が必要です。
このレポートについて
対象期
2027年3月期 第1四半期
資料の種類
有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 決算説明資料 / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
分析日
2026/08/12
本文の分量
3,014
機械検算
金額表記 271件中 266件を照合

参照した資料の明細

  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/26)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/19)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/21)
  • 決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/12)
  • 決算説明資料 — 2026年度第1四半期決算プレゼンテーション資料 (公表 2026/08/08)
  • 決算説明資料 — 2027年3月期 第1四半期 決算参考資料 (公表 2026/08/08)
  • 適時開示イベント (EDINET) — 自己株券買付状況報告書・臨時報告書 など 30件 (直近24ヶ月)
  • 外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 18件

収録している項目 (5)

  • 今回の決算でわかったこと
  • 数字で見ると
  • この会社は何で稼いでいるか
  • 気をつけて見ておきたいところ
  • ひとこと

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2027年3月期 第1四半期 / 2026-08-12 作成機械検算 98%

エグゼクティブサマリー

  • IFRS初度適用初年度。税引前利益は7,507億円(前期比+1,544億円)、親会社所有者帰属当期利益は5,312.6億円(同+808億円)。前期比の押し上げは海外保険+1,121億円・国内損保+1,039億円、押し下げは国内生保△1,238億円(ALM目的の債券売却損が主因)。会社が掲げる経営指標の修正純利益は実績12,048億円(日本基準)と期中見込11,100億円を上振れ、修正ROEは22.0%。
  • 利益の質と不利事実: IFRSでは政策保有株式(FVOCI指定)の売却益(処分利得累計6,640.5億円)が純損益に含まれず利益剰余金へ直接振替となるため、同一期のIFRS純利益(5,313億円)は日本基準(9,804億円)を下回る。日本基準の親会社株主帰属純利益は前期10,553億円から9,804億円へ減少した。国内生保は税引前△2,821.4億円の赤字拡大、営業CFは前期比△6,234億円の急減(法人所得税支払4,697.7億円が主因、⚡逸脱4.8σ=例年の変動幅の約4.8倍)。
  • 運用面では円債圧縮(日本の国債等59,757.5億円→42,003.3億円)と証券化商品・外債・現金への傾斜(現金及び現金同等物23,324.1億円、⚡逸脱2.2σ)が進行。
  • 資本政策はBerkshire傘下National Indemnityへの自己株処分2,874億円(2026/4/13払込完了)+同額買付+新規2,000億円買付枠、配当は218円→245円予想へ増配。ESRは268%(目標190%以上)。

出典タグの見方: 文末の は有価証券報告書など開示資料の該当箇所を、 などその他の角括弧タグは、その数値・検知が数値検算プログラムの機械計算値そのままであることを示す。「⚡逸脱◯σ」は当期の変化が例年の変動幅 (σ) の何倍かの機械検知。


事業概要

東京海上ホールディングスは、当社・子会社436社・関連会社25社で構成される保険持株会社である。報告セグメントは「国内損害保険」(東京海上日動火災、日新火災、東京海上ダイレクト)、「国内生命保険」(東京海上日動あんしん生命)、「海外保険」(Philadelphia、Delphi、HCC、Pure、Tokio Marine Kiln等)、「ソリューション・その他」(ID&Eホールディングス、東京海上アセットマネジメント等)の4区分。収益の柱は保険収益76,935.6億円(約7.7兆円規模)で、地域別では日本32,158.7億円・米国28,761.0億円・その他16,015.9億円と、米国を中心とする海外が過半を占める。


財務概況

業績

連結主要指標(IFRS・増減はMD&A開示値):

項目 前期(億円) 当期(億円) 増減(億円)
保険収益 73,962.2 76,935.6 +2,973.4 (+4.0%)
保険サービス費用 60,660.2 61,143.9 +483.7 (+0.8%)
再保険損益 △3,674.8 △4,295.0 △620.2
保険サービス損益 9,627.2 11,496.7 +1,869.5 (+19.4%)
金融損益 307.9 252.4 △55.5 (△18.0%)
その他の収益 2,106.4 3,795.4 +1,689.0 (+80.2%)
親会社の所有者に帰属する当期利益 4,504.2 5,312.6 +808.3 (+17.9%)

税引前利益は5,963.3億円→7,507億円(+1,544億円、+25.9%)、当期利益は4,315.0億円→5,721.9億円(+1,407億円)。当期包括利益(親会社所有者帰属)は1,269.8億円→14,926.3億円(+13,656億円)と急拡大したが、これは株式評価益のOCI計上(資本性金融商品+4,460.7億円・税効果後)、在外換算差額(+3,468.0億円)、保険契約割引率変動(+3,331.3億円)が主因であり、未実現・非現金項目の寄与が大きい。

並行開示の日本基準では経常収益88,722.8億円(+4,322億円)に対し親会社株主帰属純利益は10,552.8億円→9,804.3億円へ減少。IFRSと日本基準の利益水準の差の構造は、IFRSではFVOCI指定株式の売却損益が純損益を通らない(投資損益が日本基準比7,638.7億円減少)一方、のれん償却停止で一般管理費が888.6億円減少するため。当期の「増益」はIFRSの物差しでの増益であり、政策株売却益を含む日本基準では減益という点は顧客との対話で混同しないこと。なお日本基準の並行開示数値は監査を受けていない。

会社経営指標: 修正純利益(日本基準・FY2026/3実績)12,048億円は半期時点見込11,100億円を上振れ(政策株式売却益の増加等)、修正ROE22.0%(見込20.5%)。FY2027/3はIFRSベースで修正純利益9,500億円・修正ROE13.0%を見込むが、これは定義変更による水準の断絶であり前期比の悪化ではない(修正純資産は64,391.4億円→71,832.5億円)。

バランスシート

このレポートについて
対象期
2027年3月期 第1四半期
資料の種類
有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 決算説明資料 / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
分析日
2026/08/12
本文の分量
26,200
機械検算
金額表記 271件中 266件を照合

参照した資料の明細

  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/26)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/19)
  • 有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/21)
  • 決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/12)
  • 決算説明資料 — 2026年度第1四半期決算プレゼンテーション資料 (公表 2026/08/08)
  • 決算説明資料 — 2027年3月期 第1四半期 決算参考資料 (公表 2026/08/08)
  • 適時開示イベント (EDINET) — 自己株券買付状況報告書・臨時報告書 など 30件 (直近24ヶ月)
  • 外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 18件

収録している項目 (41)

  • 業績
  • バランスシート
  • キャッシュフロー
  • セグメント
  • 資金循環
  • 仮説1: 政策株売却加速と「円債圧縮+外貨クレジット/証券化シフト」【判定: 一部支持】
  • 仮説2: 国内生保の巨額赤字は「意図した損出し」=ALM再構築【判定: 一部支持】
  • 仮説3: 自己株式は「消却せずBerkshire処分原資へ用途転換」【判定: 支持】
  • 仮説4: 借入グロスロールは海外子会社の調達回転+Funding Agreement拡大【判定: 一部支持】
  • 仮説5: のれん・無形資産急増は米2買収+換算増で概ね説明【判定: 支持】
  • 仮説6: 金利スワップの新規計上はALMの金利リスク・コントロール多様化【判定: 一部支持】
  • 仮説7: 純投資ヘッジ為替予約は円安で評価損、ヘッジ比率見直し圧力【判定: 一部支持】
  • 仮説8: CREローンは担保実行(不動産取得)フェーズへ移行【判定: 一部支持】
  • 仮説9: セグメント再編(FY2027Q1〜)で国内生保の可視性低下【判定: 一部支持】
  • 仮説10: 持株会社(単体)の資金ポジション反転【判定: 一部支持】
  • 反証・棄却された見立て
  • 保険引受の収益性
  • 運用資産ポートフォリオ
  • 海外事業と外貨
  • 資本政策
  • 1. IFRS初度適用(作成の基礎・初度適用)
  • 2. 後発事象: Berkshire提携・自己株・資本準備金
  • 3. 社債及び借入金の明細
  • 4. 保険契約の割引率カーブ
  • 5. 予想信用損失(CREローン)
  • 6. レベル3公正価値とKAM
  • 7. ヘッジ会計の新規展開
  • 8. 譲渡金融資産(債券貸借・レポ)の縮小
  • 9. ストラクチャード・エンティティ
  • 10. あんしん生命への報告徴求命令
  • 11. 監査報酬の急増
  • 12. 単体の関係会社株式評価損の縮小
  • 償還能力
  • 資本
  • 流動性
  • 資産の質
  • 格付トリガー・財務制限条項
  • 資本効率
  • 還元
  • モメンタム
  • 主要経営指標の推移

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