MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社
8725 / プライム / 保険業
かんたん解説
2027年3月期 第1四半期 / 2026-08-15 作成機械検算 97%今回の決算でわかったこと
- 2026年3月期は、国際的な会計ルールであるIFRSを初めて適用した年度で、親会社の株主に帰属する当期利益は5,106.1億円と、前期から+2,104億円(+70.1%)の大幅な増益になりました。ただし増益の中身は二層構造です。保険の引き受けによる損益(保険サービス損益)が+1,970億円、資産運用などの金融損益が+268億円改善したという実体面の改善に加え、前期に計上した海外の、のれん(買収時に計上した資産)の減損が今期は発生しなかったという、繰り返されない要因(減損損失は前期比-869億円)が含まれています。
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 決算説明資料(IRサイト) / 決算説明資料 / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/08/15
- 本文の分量
- 2,946字
- 機械検算
- 金額表記 217件中 211件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/30)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/20)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/24)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/14)
- ・決算説明資料(IRサイト) — 説明会資料 (公表 2026/08/15)
- ・決算説明資料(IRサイト) — 説明会資料 (公表 2026/08/15)
- ・決算説明資料 — 2026年度 第1四半期 決算説明会資料 (公表 2026/08/14)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 自己株券買付状況報告書・臨時報告書 など 39件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 17件
収録している項目 (5)
- ・今回の決算でわかったこと
- ・数字で見ると
- ・この会社は何で稼いでいるか
- ・気をつけて見ておきたいところ
- ・ひとこと
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2027年3月期 第1四半期 / 2026-08-15 作成機械検算 97%エグゼクティブサマリー
当期(2026年3月期・IFRS初適用初年度)の親会社所有者帰属当期利益は5,106.1億円(前期比+2,104億円・+70.1%)。増益の前期比寄与は、保険サービス損益+1,970億円・金融損益+268億円(いずれも増収と自然災害ロス減少が主因)に加え、前期の海外のれん減損の剥落(減損損失は前期比-869億円)という非反復要因を含む二層構造である。政策保有株式(取引関係維持目的の株式)を「保有しない方針」と初めて明記し、売却価額は三井住友海上4,636.5億円・あいおいニッセイ同和2,244.7億円に達した。大口取得6,503.4億円はW.R. Berkley Corporation株式(戦略的提携目的)であり、開示区分上の残高増加は同戦略出資の計上と株価上昇によるものであって、取引先持ち合い株の解消の後退ではない。調達面では社債発行4,578.5億円(前期ゼロ)・初のユーロ建普通社債・ユーロ通貨スワップと米ドル買建為替予約の新設と、債券・為替の取引イベントが集中的に発生した。不利事実として、三井住友海上あいおい生命が債券売却損により-602.9億円へ赤転(前期比-826億円)、負債性金融商品(債券)の評価損累計は資本の部で-10,093億円へ拡大(前期比-2,573億円)、繰延税金負債は+2,416億円増加した。翌期会社予想は4,250億円と減益予想だが、期間後のQ1速報は税引前4,409.3億円(前年同期比+33.4%)で予想据え置きである。
出典タグの見方: 文末の は有価証券報告書など開示資料の該当箇所を、 などその他の角括弧タグは、その数値・検知が数値検算プログラムの機械計算値そのままであることを示す。「⚡逸脱◯σ」は当期の変化が例年の変動幅 (σ) の何倍かの機械検知。
事業概要
MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、子会社236社・関連会社36社を束ねる保険持株会社である。報告セグメントは、国内損害保険3社(三井住友海上=MS、あいおいニッセイ同和損保=AD、三井ダイレクト損保=MD)、国内生命保険2社(三井住友海上あいおい生命=MSA生命、三井住友海上プライマリー生命=MSP生命)、海外子会社・関連会社の6区分で、ほかに金融サービス・デジタルリスク関連サービスを「その他」で営む。収益の柱は損害保険で、保険収益の大半を損害保険商品が占め、海外事業(欧州ロイズのMS Amlin、再保険のMS Re、米国等)が最大の利益セグメントに育っている。
財務概況
業績
当期よりIFRS会計基準(国際会計基準)を初適用し、前期数値もIFRSへ組替済みである(移行日2024年4月1日)。機械検算では、連結・個別のBS恒等式、PL連環、CF内訳・連環、純資産連環の全14件が一致しており、以下の数字群は機械検証済みとして扱える。
| 項目(IFRS・連結) | 前期 | 当期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 保険収益 | 59,495.1億円 | 64,360.3億円 | +4,865億円(+8.2%) |
| 税引前利益(継続事業) | 4,585億円 | 7,035.2億円 | +2,450億円(+53.4%) |
| 当期利益 | 3,057.9億円 | 5,161.3億円 | +2,103億円(+68.8%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,001.9億円 | 5,106.1億円 | +2,104億円(+70.1%) |
| その他の包括利益 | -3,561.6億円 | 9,772.3億円 | +13,334億円(黒転) |
| 親会社の所有者に帰属する当期包括利益 | -567億円 | 14,821.2億円 | +15,388億円(黒転) |
保険サービス損益は5,254億円(前期比+1,970億円)、金融損益は2,610億円(同+268億円)。参考として日本基準の並行開示では、経常収益76,530.3億円(前期66,608.1億円)、親会社株主帰属純利益7,873.4億円(前期6,916.6億円)であり、包括利益12,199.4億円は例年レンジ外の変動である(⚡逸脱2.5σ=例年の変動幅の約2.5倍)。
会社自身が掲げる経営指標との対比では、当期(会社表記「2025年度」)の修正利益(除く政策株式売却損益)は5,255億円で、翌年度目標5,300億円にほぼ到達済み、2030年度目標は8,000億円。修正ROEは15.3%(翌年度予想13.0%、2030年度目標11%以上)、ESR(経済価値ベースの支払余力比率)は214%で下限基準180%を充足している。目標対比の達成状況は良好だが、後述のとおり当期利益には減損剥落・自然災害減少・市況益という一過性要素が含まれる。
バランスシート
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 決算説明資料(IRサイト) / 決算説明資料 / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/08/15
- 本文の分量
- 27,416字
- 機械検算
- 金額表記 217件中 211件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/30)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/20)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/24)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/14)
- ・決算説明資料(IRサイト) — 説明会資料 (公表 2026/08/15)
- ・決算説明資料(IRサイト) — 説明会資料 (公表 2026/08/15)
- ・決算説明資料 — 2026年度 第1四半期 決算説明会資料 (公表 2026/08/14)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 自己株券買付状況報告書・臨時報告書 など 39件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 17件
収録している項目 (41)
- ・業績
- ・バランスシート
- ・キャッシュフロー
- ・セグメント
- ・資金循環
- ・仮説1: 政策株式の「保有しない方針」が外債・投信中心の運用再構築を駆動 【判定: 一部支持】
- ・仮説2: 外貨調達・外貨運用拡大に対するヘッジ体制の増強(ユーロ調達新設が転換点) 【判定: 一部支持】
- ・仮説3: 社債発行4,578.5億円は海外投資・成長資金の先行確保 【判定: 一部支持】
- ・仮説4: MSA生命の赤転は金利上昇下の債券入替であり経済価値では健全 【判定: 一部支持】
- ・仮説5: 前期大口減損の剥落を除いても実質増益 【判定: 支持(当期の実質増益に対象を限定)】
- ・仮説6: 政策株売却益を原資とする還元パイプラインの制度化 【判定: 一部支持】
- ・仮説7: 政策株売却に伴う税金支払CFの将来顕在化 【判定: 検証不能】
- ・仮説8: 海外事業の利益は円安・自然災害僅少の追い風込みで反転リスクを内包 【判定: 一部支持】
- ・仮説9: 国内損保の引受収益力は料率改定で構造的に改善 【判定: 支持】
- ・仮説10: MSP生命の増益は市況依存 【判定: 支持】
- ・仮説11: 償却原価負債の時価差額拡大は低利長期調達のロックイン 【判定: 支持】
- ・仮説12: 監査報酬増はIFRS移行・新規制対応の一過性 【判定: 一部支持】
- ・反証・棄却された見立て
- ・保険引受の収益性
- ・運用資産ポートフォリオ(政策株式・債券・回転)
- ・海外事業と外貨
- ・資本政策
- ・IFRS初度適用と日本基準との差異(当期の読み方の土台)
- ・重要な後発事象: MS国内普通社債の包括決議
- ・社債及び借入金注記: 償還・コールの時限表
- ・ヘッジ会計注記: ユーロ通貨スワップ・米ドル買建為替予約の新設
- ・金融商品の公正価値注記: レベル3の増加と負債の含み益
- ・監査上の主要な検討事項(KAM): 保険負債の見積り
- ・投資有価証券注記: 政策株「保有しない方針」の明文化
- ・ストラクチャード・エンティティ注記
- ・法人所得税注記
- ・関連当事者注記
- ・償還能力
- ・資本
- ・流動性
- ・資産の質
- ・格付トリガー・財務制限条項
- ・資本効率
- ・還元
- ・モメンタム
- ・主要経営指標の推移
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