日本郵船株式会社
9101 / プライム
かんたん解説
2027年3月期 第1四半期 / 2026-09-21 作成機械検算 95%今回の決算でわかったこと
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利益が大きく減りました。主因は本体の営業ではなく、コンテナ事業を担う共同事業会社の利益減少です 経常利益は2,111億円で、前期から△2,797億円 (△57.0%) の減少でした。最大の要因は、コンテナ船事業を共同で営むONE社の利益が細ったことです。定期船セグメントに取り込む持分法利益 (出資比率に応じて計上する利益) は、2,490.6億円から201.8億円へ急減しました。一方で本体の営業利益の減少は△722億円 (△34.3%) にとどまり、レポートの検証でもこの見立ては支持されています。なお現金収入の面では、利息及び配当金の受取額はむしろ1,892.6億円から2,254.7億円へ増えました。
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欧州のヘルスケア物流会社を約2,341.7億円で買収し、総資産が大きく膨らみました
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/09/22
- 本文の分量
- 3,008字
- 機械検算
- 金額表記 175件中 167件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/16)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/17)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/19)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2023 (時系列比較) (公表 2023/06/21)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) (公表 2026/08/05)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 自己株券買付状況報告書・臨時報告書 など 25件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 20件
収録している項目 (5)
- ・今回の決算でわかったこと
- ・数字で見ると
- ・この会社は何で稼いでいるか
- ・気をつけて見ておきたいところ
- ・ひとこと
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2027年3月期 第1四半期 / 2026-09-21 作成機械検算 95%エグゼクティブサマリー
当期は「大幅減益」と「過去最大級の投資」が同時に進んだ年である。経常利益は2,111億円と前期比△2,797億円 (△57.0%)。減益の主因は、持分法で取り込むコンテナ共同事業会社ONE社の利益剥落 (定期船セグメントの持分法利益 2,490.6億円→201.8億円) であり、検証の結果この見立ては支持された。一方、欧州ヘルスケア物流MOVIANTO社を約2,341.7億円で買収し、総資産は前期比+8,749億円の52,017億円へ膨らんだ。調達は長期借入 (収入2,170億円、前期377億円) を軸に、コマーシャル・ペーパー (短期の無担保約束手形、CP) の再開400億円と短期借入増を併用し、自己資本比率は67.6%→59.1%へ低下した。純利益2,117億円には投資有価証券売却益378.1億円 (前期14.4億円) など一過性の特別利益822.9億円が含まれ、利益の実力は経常段階で評価すべきである。
出典タグの見方: 文末の は有価証券報告書など開示資料の該当箇所を、 などその他の角括弧タグは、その数値・検知が数値検算プログラムの機械計算値そのままであることを示す。「⚡逸脱◯σ」は当期の変化が例年の変動幅 (σ) の何倍かの機械検知。
事業概要
日本郵船は、海・陸・空にまたがる総合物流グループである。報告セグメントは定期船 (コンテナ・ターミナル)、航空運送、物流、自動車、ドライバルク (ばら積み船)、エネルギー (タンカー・LNG船等)、その他 (不動産・客船等) の7区分。コンテナ船事業はONE社 (持分法適用) を通じて営み、その利益は営業外の持分法投資利益として取り込まれる。連結子会社575社・持分法適用関連会社243社を擁する。なお航空運送 (日本貨物航空) は2025年8月に株式交換で売却済みである。
財務概況
業績
| 項目 | 前期 (億円) | 当期 (億円) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 25,887 | 24,236.9 | △1,650億円 |
| 売上原価 | 21,193.6 | 19,943.0 | △1,250億円 |
| 販売費及び一般管理費 | 2,585.2 | 2,907.9 | +322億円 |
| 営業利益 | 2,108.2 | 1,386.0 | △722億円 (△34.3%) |
| 持分法による投資利益 | 2,933.9 | 850.2 | △2,084億円 |
| 経常利益 | 4,908.7 | 2,111.4 | △2,797億円 |
| 特別利益 | 323.6 | 822.9 | ― |
| 特別損失 | 78.1 | 166.6 | ― |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,777.1 | 2,117.5 | △2,660億円 |
| 包括利益 | 5,048.7 | 4,318.8 | ― |
(すべて。増減列は出典を付した機械値・開示値のみ)
売上総利益から税引前利益までの損益の連環は、機械検算ですべて一致している。純利益は減ったのに包括利益の減少は小さい。その他の包括利益が前期181.6億円から当期2,162.1億円へ急増した (⚡逸脱13.7σ、例年の変動幅の約14倍) ためだ。内訳は退職給付に係る調整額+871.4億円、為替換算調整勘定+594.8億円、持分法適用会社に対する持分相当額+617.9億円が大きい。つまり当期の純資産は、損益ではなく年金と為替の評価差額で支えられている。
会社が掲げる中期経営計画の目標に対する達成状況は次のとおり。当期純利益2,117億円は目標レンジ2,000〜3,000億円の下限寄りで達成。ROIC 6.4%は目標6.5%以上に僅差で未達。ROE 7.1% (会社開示・自己資本ベース) は目標8.0〜10.0%に未達。機械計算のROE (純利益/株主資本) は9.27% (前期20.33%) で、低下の主因はマージン要因△10.71%ptである。
バランスシート
| 項目 | 前期 (億円) | 当期 (億円) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 43,267.8 | 52,016.7 | +8,749億円 |
| うち のれん | 228.7 | 2,505.7 | +2,277億円 |
| うち 有形固定資産 | 13,012.8 | 16,306.5 | +3,294億円 |
| うち 退職給付に係る資産 | 1,592.1 | 2,970.3 | +1,378億円 |
| 負債 | 13,505.4 | 20,582.3 | +7,077億円 |
| うち 長期借入金 | 4,657.6 | 6,095.1 | +1,437億円 |
| うち 短期借入金 | 544.1 | 1,551.6 | +1,007億円 |
| うち リース負債 (固定) | 923.9 | 2,132.4 | +1,208億円 |
| 純資産 | 29,762.4 | 31,434.4 | +1,672億円 |
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/09/22
- 本文の分量
- 24,145字
- 機械検算
- 金額表記 175件中 167件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/16)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/17)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2024 (時系列比較) (公表 2024/06/19)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2023 (時系列比較) (公表 2023/06/21)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) (公表 2026/08/05)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 自己株券買付状況報告書・臨時報告書 など 25件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 20件
収録している項目 (42)
- ・業績
- ・バランスシート
- ・キャッシュフロー
- ・セグメント
- ・資金循環
- ・仮説1: MOVIANTO買収は長期借入を軸に調達した 【判定: 一部支持】
- ・仮説2: 減益の主因はONE社の利益剥落 【判定: 支持】
- ・仮説3: 特別利益は益出し・売却益で構成され、利益の質を割り引くべき 【判定: 支持】
- ・仮説4: 年金サープラスの急拡大が純資産を押し上げた 【判定: 支持】
- ・仮説5: 資本の為替感応度が拡大し、大半は未ヘッジ 【判定: 一部支持】
- ・仮説6: リース負債急増はMOVIANTO連結が大きな一因 【判定: 一部支持】
- ・仮説7: NCA売却の回収は株式対価と貸付金回収の2経路 【判定: 一部支持】
- ・仮説8: 親会社への配当還流を強め、単体の税負担が跳ねた 【判定: 支持】
- ・仮説9: 翌期以降も年3,000億円規模の投資と外部調達が続く 【判定: 検証不能】
- ・仮説10: 手元流動性は厚めに再構築され、短期の逼迫はない 【判定: 一部支持】
- ・反証・棄却された見立て
- ・資金動態
- ・有利子負債
- ・為替エクスポージャー
- ・退職給付
- ・政策保有株式
- ・M&A・組織再編
- ・従業員・人件費の整合
- ・企業結合等関係 (MOVIANTO買収)
- ・企業結合等関係 (NCA株式交換)
- ・会計方針の変更 (NYK STOLT TANKERSのIFRS移行)
- ・重要な後発事象
- ・退職給付関係
- ・税効果会計関係
- ・重要な会計上の見積り (個別: 関係会社船舶投資損失引当金)
- ・デリバティブ取引関係
- ・金融商品関係・財務制限条項
- ・事業等のリスク (訴訟)
- ・償還能力
- ・資本
- ・流動性
- ・資産の質
- ・格付トリガー・財務制限条項
- ・資本効率
- ・還元
- ・モメンタム
- ・主要経営指標の推移
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