KDDI株式会社
9433 / プライム / 情報・通信業
かんたん解説
2027年3月期 第1四半期 / 2026-08-08 作成機械検算 98%今回の決算でわかったこと
- 増収増益で着地しましたが、利益の中身には一時的な要素が混ざっています。 売上高は6,071,915百万円で前期比+4.1%、本業のもうけを示す営業利益は1,099,125百万円で+1.1%、最終的な利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は707,112百万円で+7.9%でした。ただし最終利益の伸びには、持分法適用除外に伴う再測定益19,818百万円(現金の動きを伴わない一時的な利益)や為替差益への転換といった押し上げ要因と、減損損失(資産の価値を切り下げる損失)の大幅な増加という押し下げ要因が同居しています。レポートでは、実力を見るなら営業利益ベースが適切とされています。
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/08/08
- 本文の分量
- 3,422字
- 機械検算
- 金額表記 256件中 250件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/25)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/13)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/07)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 変更報告書・自己株券買付状況報告書 など 51件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 3件
収録している項目 (5)
- ・今回の決算でわかったこと
- ・数字で見ると
- ・この会社は何で稼いでいるか
- ・気をつけて見ておきたいところ
- ・ひとこと
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2027年3月期 第1四半期 / 2026-08-08 作成機械検算 98%エグゼクティブサマリー
- 増収増益だが利益の質に注意: 売上高6,071,915百万円 (前期比+236,390百万円、+4.1%)、営業利益1,099,125百万円 (+11,657百万円、+1.1%)、親会社帰属利益707,112百万円 (+51,697百万円、+7.9%)。純利益の伸びには前期比での一過性の押し上げ (その他の営業外損益+18,800百万円、うち持分法適用除外に伴う再測定益19,818百万円は非現金・一過性/金融損益の改善+14,028百万円は為替の差損→差益転換) と押し下げ (減損損失の増加+446億円) が混在し、実力評価は営業利益ベースで行うべきである。
- バランスシートは「銀行化」: 総資産+23,487億円 は金融事業の預金流入 (+1,103,565百万円) と貸出金拡大 (+1,250,719百万円) が主導。親会社所有者帰属持分比率は30.1%→26.6%、D/Eレシオ (負債資本倍率) は0.88倍→1.04倍へ。
- 当期最大の不利事実: 連結子会社ビッグローブ等の架空循環取引で過年度開示を一斉訂正し、内部統制報告書は「開示すべき重要な不備があるため有効でない」と表明。単体ではビッグローブ向け短期貸付金98,308百万円に対し貸倒引当金繰入26,548百万円を特別損失計上 (2期連続)。
- 資本圧縮フェーズ入り: 自己株式取得4,000億円を2期連続実施、後発事象として自己株消却・京セラ/トヨタの売却意向を受けた自己株TOB (上限2,500億円) を含む総額3,000億円の取得枠を決議。ROE上昇 (13.93%、+0.90%pt) の主因は財務レバレッジ要因+1.61%pt。
- 本有報より新しい2027年3月期Q1短信 (2026-08-07開示) では営業利益+21.1%と好発進。
出典タグの見方: 文末の は有価証券報告書など開示資料の該当箇所を、 などその他の角括弧タグは、その数値・検知が数値検算プログラムの機械計算値そのままであることを示す。「⚡逸脱◯σ」は当期の変化が例年の変動幅 (σ) の何倍かの機械検知。
事業概要
KDDIは「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランドで移動通信サービスを提供する国内大手通信事業者であり、連結子会社193社・持分法適用会社46社で構成される。報告セグメントは当期時点で「パーソナル」(個人向け通信+金融・エネルギー等) と「ビジネス」(法人向けソリューション・「Telehouse」ブランドのデータセンター等) の2区分で、収益の柱は個人向け通信を基盤に金融事業 (auフィナンシャルホールディングス傘下のauじぶん銀行等) と法人グロース領域 (IoT・データセンター) が伸びる構造である。なお翌期 (2027年3月期) Q1から報告セグメントは「テレコムコア/パーソナルグロース/ビジネスグロース」の3区分へ全面再編されており、本レポートの2区分ベースの分析は当期限りの区分である点に注意。
財務概況
業績
前期数値は架空循環取引に係る過年度訂正 (2026年3月31日付一斉訂正) 反映後の値である。時系列テーブルで機械検知された「遡及修正疑い47項目」の主因はこの訂正と整合する。
| 項目 (連結・百万円) | 前期 | 当期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,835,525百万円 | 6,071,915百万円 | +236,390百万円 | +4.1% |
| 売上原価 | 3,343,655百万円 | 3,481,279百万円 | +137,623百万円 | +4.1% |
| 売上総利益 | 2,491,870百万円 | 2,590,636百万円 | +98,766百万円 | +4.0% |
| 販売費及び一般管理費 | 1,429,465百万円 | 1,529,370百万円 | +99,906百万円 | +7.0% |
| 持分法による投資損益 | 27,501百万円 | 39,890百万円 | +12,389百万円 | +45.1% |
| 営業利益 | 1,087,468百万円 | 1,099,125百万円 | +11,657百万円 | +1.1% |
| 金融損益 | △19,513百万円 | △5,485百万円 | +14,028百万円 | ― |
| その他の営業外損益 | 5,464百万円 | 24,264百万円 | +18,800百万円 | +344.1% |
| 税引前当期利益 | 1,073,418百万円 | 1,117,904百万円 | +44,485百万円 | +4.1% |
| 法人所得税費用 | 337,573百万円 | 337,243百万円 | △330百万円 | △0.1% |
| 当期利益 | 735,846百万円 | 780,661百万円 | +44,815百万円 | +6.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 655,416百万円 | 707,112百万円 | +51,697百万円 | +7.9% |
(出典: の連結業績表 verbatim)
当期包括利益 (親会社帰属) は7,488億円 (前期5,823億円、+28.6%) と純利益以上に伸びたが、これは前期のOCI (その他の包括利益) マイナス (△731億円) が+417億円へ黒転した効果である。この振れは⚡逸脱5.3σ (例年の変動幅の約5倍) と機械検知されている。個別 (単体) のPL連環 (経常利益8,217億円+特別利益157億円−特別損失476億円=税引前7,899億円) は機械検算で一致。
バランスシート
このレポートについて
- 対象期
- 2027年3月期 第1四半期
- 資料の種類
- 有価証券報告書 (EDINET) / 決算短信 (TDnet) / 適時開示イベント (EDINET) / 外部ヘッドライン
- 分析日
- 2026/08/08
- 本文の分量
- 27,481字
- 機械検算
- 金額表記 256件中 250件を照合
参照した資料の明細
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2026 (公表 2026/06/25)
- ・有価証券報告書 (EDINET) — FY2025 (時系列比較) (公表 2025/06/13)
- ・決算短信 (TDnet) — 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) (公表 2026/08/07)
- ・適時開示イベント (EDINET) — 変更報告書・自己株券買付状況報告書 など 51件 (直近24ヶ月)
- ・外部ヘッドライン — 業界・市場ニュース 3件
収録している項目 (45)
- ・業績
- ・バランスシート
- ・キャッシュフロー
- ・セグメント
- ・資金循環
- ・仮説1: 連結BSの膨張は「銀行化」であり、金融事業を分離しないと桁を誤る 【判定: 支持】
- ・仮説2: 銀行子会社の債券ポートフォリオ急拡大が新たな市場リスクの塊になっている 【判定: 一部支持】
- ・仮説3: 資本圧縮フェーズ入り — ROE向上はレバレッジ主導 【判定: 支持】
- ・仮説4: 純利益+7.9%には一過性の押し上げ・押し下げが混在 【判定: 一部支持】
- ・仮説5: 架空循環取引はビッグローブへのグループファイナンス与信問題として単体BSに顕在化 【判定: 一部支持】
- ・仮説6: 調達構成が「借入」から「社債+CP」へシフト中、金利コストは急増 【判定: 一部支持】
- ・仮説7: 資本の為替エクスポージャーは開示上ヘッジされておらず、換算差額が当期の包括利益を押し上げた 【判定: 一部支持】
- ・仮説8: DC・AI基盤投資の加速がリース負債と建設仮勘定の同時膨張として現れている 【判定: 一部支持】
- ・仮説9: 年金は積立超過が拡大し「資産上限額」で認識が頭打ち、運用はオルタナ比重を高めている 【判定: 支持】
- ・仮説10: 従業員数の急増 (+8,562名) は連結範囲・事業構成の変化の痕跡 【判定: 一部支持】
- ・反証・棄却された見立て
- ・資金動態
- ・有利子負債と満期構成
- ・為替エクスポージャーと資本の感応度
- ・与信観点 (債務償還能力・財務制限条項)
- ・退職給付
- ・政策保有株式・投資有価証券
- ・M&A・組織再編
- ・海外子会社の未分配利益
- ・従業員数と人件費
- ・作成の基礎 (7) 追加情報: 架空循環取引に関する訂正
- ・重要な後発事象: 自己株消却・自己株TOB
- ・借入金及び社債: CP新設・担保差入拡大・財務制限条項
- ・金融商品: 満期日分析・信用枠・VaR・新OCI項目
- ・偶発事象: 貸出コミットメント・保証債務
- ・従業員給付: 割引率2.8%・資産上限額
- ・繰延税金及び法人所得税: 税率変更・リース関連の増加
- ・関連当事者との取引: 京セラ・トヨタからの自己株取得
- ・リース: 加重平均利率の上昇
- ・減損損失 (のれん): 資金生成単位の組替
- ・監査報酬・KAM
- ・償還能力
- ・資本
- ・流動性
- ・資産の質
- ・格付トリガー・財務制限条項
- ・資本効率
- ・還元
- ・モメンタム
- ・主要経営指標の推移
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